いろいろな確率を求める話 その3

今回はデメマダラの巣窟に関係する確率を求めていきます。確率の話は今回で終わりにしようかなと思います。

 

まず、2階の敵の配置について考えます。2階の地形は固定で、次のようになります。

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図の上か下のどちらかにポッドが置かれ、上に置かれる確率が86.4186\%となっています。

 

それ以外の配置について考えるためには、各地点の座標が必要になります。各部屋の名前をhttps://github.com/JHaack4/CaveGen/tree/master/files/gc/arcで参照して、texts.d→layout.textと開けば座標がわかります。ポッド、穴、Hard Enemy、Easy Enemyだけ抜き出すと次のようになります(Y座標は省略)。

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こちらは座標軸は省略

青がポッド、緑が穴、赤がHard Enemy、ピンクがEasy Enemyの地点を表していて、これらの座標の数値から、穴をポッドがない側にしか置けないことがわかります。また、ポッドがどちらにあっても、Hard Enemyを置くことのできる場所は二つしか残らず((-85,0)の地点はポッドもしくは穴のどちらかが必ず近くにあるためいつでも置けないことに注意)、それらをクマチャッピーとテンテンチャッピーで埋め尽くすことがわかります。

 

Easy Enemyについては最小匹数と最大匹数の情報も必要になりますが、それも座標と同じところに書いてあって、抜き出すと次のようになります。

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ポッドが上に出た場合は周辺の三つの地点、下に出た場合は周辺の一つの地点にはEasy Enemyを出すことはできません。ここで、2匹のテンコチャッピーがどちらも真ん中の四つの地点のいずれかに出る確率を求めてみます。

まず、実際にはチビクマから配置されますが、テンコチャッピーから配置されると考えても確率は変わらないことに注意します。最小匹数が2匹の地点を最初に選べばその時点で2匹ともその地点に出ることが確定します。1匹の地点を選んだ場合は\frac{1}{2}の確率で2匹ともその地点に置かれますが、残りの\frac{1}{2}の確率で1匹だけその地点に置かれ、次に選んだ地点にもう1匹が置かれます。以上を踏まえると、2匹のテンコチャッピーがどちらも真ん中の四つの地点のいずれかに出る確率は

0.864186\times (\frac{2}{5} + \frac{2}{5} \times \frac{1}{2} + \frac{2}{5} \times \frac{1}{2} \times \frac{3}{4}) + 0.135814\times (\frac{2}{7} + \frac{2}{7} \times \frac{1}{2} + \frac{2}{7} \times \frac{1}{2} \times \frac{3}{6}) = 0.716047

ということで、71.6047\%となります。

 

2匹のチビクマは、クマチャッピーよりも奥にさえいなければクマチャッピーが連れてきてくれると考えると、穴周辺に敵がいない確率は上で求めたものの半分なので35.8024\%となります。

同じように計算すると、

穴周辺がテンテンチャッピーのみ

\frac{1}{2} \times (0.864186\times \frac{1}{2} + 0.135814\times \frac{57}{490}) = 0.223946

22.3946\%

穴周辺がコチャッピー(チビクマ含む)のみ

\frac{1}{2} \times (0.864186\times \frac{1}{4} + 0.135814\times \frac{1}{2}) = 0.141977

14.1977\%

穴周辺がテンテンチャッピー+コチャッピー(チビクマ含む)

\frac{1}{2} \times (0.864186\times \frac{1}{2} + 0.135814\times \frac{433}{490}) = 0.276054

27.6054\%

となります。

 

次に、3階の配置について考えます。3階にはタマゴが二つ置かれるのですが、水辺より手前にあるか奥にあるかどうかで手間が大きく変わるので、その確率を求めます。

まず、地形はほぼ固定となっており、具体的には次の二つの広場を接続したものになります。

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ポッドはこちらに置かれる

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便宜的に、各部屋の接続口を、図で上にあるものから時計回りにa0、a1、a2、a3、a4 及びb0、b1、b2、b3と名付けます。すると、a3にb1を接続することができないこと、逆にa2にはb1しか接続することができないことがわかります。

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a2の前がふさがってしまうので接続できない

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a3の前がふさがってしまうので接続できない

 

以上を踏まえて、ポッドが置かれる部屋に接続されるのがb0、b1、b2、b3のどれになるかの確率を求めます。仮にa3にb1も接続することができるとするとその確率は順に20\%40\%20\%20\%となるので、そのなかからa3にb1を接続してしまうパターンだけ計算し直せば比較的楽かと思います。すると確率は順に22.04468\%35.06309\%21.26797\%21.62426\%と求まります。

 

次に、穴をどこに置くかの確率を計算します。ポッドの周辺にある四つの袋小路の重み付けはいつでも10なので、それ以外の三つの袋小路の重み付けを見ます。

b0、b1、b2、b3間の距離の\frac{1}{10}(小数点以下切り捨て)は次の表のようになっているので、そこに1を足して平方根を求めた後に10を足すことで求めることができます。

  b0 b1 b2 b3
b0   43 87 59
b1 43   96 68
b2 87 96   58
b3 59 68 58  

 

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b0

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b1

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b2

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b3

 

このフロアでは、穴が置かれなかった袋小路のうち番号が最も若い三つにポポガシグサが、四つ目と五つ目にタマゴが置かれるので(a4はb0より若いと見なす)、たとえばb3が接続された場合は、ポッド周辺の四つの袋小路のいずれかに穴が置かれてしまうとタマゴが二つとも水辺の奥に置かれることになります。

それを表にまとめると次のようになります。

  b0 b1 b2 b3
手前2 36/92 37/93    

近1

奥1

16/92 16/93 55/95 52/92

遠1

奥1

40/92 40/93    
奥2     40/95 40/92

(近1奥1というのは、片方が水辺の奥でもう片方がポッドの周辺に置かれる配置のことで、遠1奥1というのは、片方が水辺の奥でもう片方が水辺の手前だがポッドの周辺ではない配置のことを表します。また、空白は0を表します。)

 

先ほど求めた地形の接続の確率と合わせることで

手前2 22.5760\%

近1奥1 34.4017\%

遠1奥1 24.6655\%

奥2 18.3568\%

となります。